Amazonの電子書籍リーダーKindle Paperwhiteシグニチャーエディションを試す。
Amazonの電子書籍リーダー主力機
今回レビューする「Kindle Paperwhiteシグニチャーエディション」は、Amazonの電子書籍リーダー端末の中でも主力機種といっていいポジションとスペックを備えた機種です。
6.8型の高解像度E-inkディスプレイにフロントライトを備え、内蔵ストレージはKindle Paperwhiteの2倍となる32GBを備えています。KindleシリーズはFireタブレットとは異なり基本SDカードスロットを持っていませんので、内蔵ストレージの多さは地味に使い勝手に繋がります。
一般的な電子書籍はあまりデータ量を食いませんので、通常は16GBなどでも十分な冊数の保管は可能です。
また、本体は防水対応でお風呂で本を読む、と言った用途にもマッチします。
薄くて軽いので長時間の片手操作の際にも負担は少ないです。厚みに関しては最新のスマートフォンよりも薄いぐらい。その上である程度のサイズ感がありますから、本体の薄さは実際のスペック以上のものを感じます。
では実際の使いごこちなどをじっくり確認していきましょう。
Kindle Paperwhiteの外観など
まずは梱包や同梱品、外観などをチェックします。
購入して本体が届いてまず驚くのはパッケージの小ささ、薄さかもしれませんね。キレイですがシンプルでとても小さな箱で届きます。
実はこれには理由があって、厚さが出やすいACアダプターが同梱されていないのです。
今はほとんどのユーザーがスマートフォンを使っていてそれ用のACアダプターを持っているとは思いますが、Kindle Paperwhiteの標準パッケージだけでは充電が出来ない点には注意が必要です。
中身は相変わらずシンプルで、本格的なマニュアルもネットで見るタイプの商品です。
ディスプレイはかなりスクエアなタイプで、書籍のページの縦横比を優先していますね。
ちなみに上の写真はスタンバイ状態の時のものですが、スタンバイさせてもディスプレイには壁紙が表示されたままになるのがE-inkディスプレイならではの大きな特徴です。この状態でももちろん電力は消費しません。
裏面はこんな感じ。マットな、ラバーっぽい風合いです。
触った感じも柔らかい感触で指先に優しいです。光沢がないので皮脂などでテカることもありません。
薄さはこんな感じ。となりはXperia 1Vです。
充電ポートはUSB Type-Cコネクタ。ボタンは電源ボタンが1個あるだけ。あとは稼働状態を示す小さなLEDが1つついています。
全体的にものすごくスッキリとした綺麗な外装ですね。
ちなみに本体の重さは実測で210gでした。
実際の使いごこち
本体を起動させるといきなりKindleアプリが立ち上がってそれ以外の画面はありません。Fireタブレットのホーム画面的なものへの移動も出来ません。ユーザーインタフェースは基本Kindleアプリのものだけ、ということですね。
使い方で迷う心配は一切ないでしょう。
一応、Kindleアプリの中からブラウザは起動できます。
使い勝手とかサイトの表示結果は「タブのないSilk」な雰囲気です。
操作感
E-inkディスプレイは画面の書き換え速度が遅いのでホーム画面となるKindleアプリは若干使い勝手を調整してあります。上下にスワイプするとスクロールするのではなく、画面1/3程度「ジャンプ」します。これで操作感が大分軽く感じられます。
Kindle Paperwhite自体の処理能力は決して低くはないようなのですが、ディスプレイがスクロール操作には一切追従できないため、こういった操作が残っているとすごく処理が遅く感じられる難点があります。
実際、ブラウザではそのままスクロールが動いてしまうため、性能が悪いと誤認しがち。Kindleアプリ側はそこを上手に処理しています。
電子書籍を開いたりページ切り替えをしたりする際のレスポンスはなかなか良いため、CPUなどの処理能力には問題はないでしょう。
その他のアプリが一切使えない作り、モノクロ16階調で書き換え速度が遅く低コントラストなディスプレイと言うこともあって、作り込みが完全に電子書籍リーダーに特化してあります。
Wi-Fiは最新の規格には対応しませんが、大きなデータをダウンロードするといった使い方はしない(出来ない)ため、通信速度に問題を感じることはありませんでした。
肝心のディスプレイの見栄えは?
この端末の最大のウリであるE-inkの見栄えは、起動時に他のタブレット端末のイメージを持って臨むと恐らくちょっと「あれ?」と感じることになると思います。
思いの外綺麗なグレーの壁紙は表示されますが、やはりコントラストの低さが気になるでしょう。
ただし書籍を表示すると印象が一変。本当に紙の印刷物に近い見た目で、スマホやパソコンのディスプレイで不思議と覚える文章の読みにくさを感じませんでした。画面サイズも文庫本の1ページに近いため、かなり紙の書籍に近い感覚で本を読めます。
ページ送りのレスポンスも問題なく、気持ち良く本を読める機種です。
バッテリーの持ち具合
バッテリーは稼働状態だと思いの外食う感じがあります。それでも一般的なタブレットよりも明らかに省エネなのはバッテリーゲージの減らなさ具合から見て取れます。
スリープ状態にすると本当に電力を食わないようで、うたい文句の最大10週間持つ、も大げさではないなと感じました。
さすがにフロントライトの明るさを高く設定してずっと本を読み続ければ数日でバッテリーは使い切りそうですが、それでも十分に優秀なバッテリー持ちだと思います。
まとめ
Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションは電子書籍リーダーとしては上手にまとめられた良い端末だと思います。小説などは本当に読みやすく目が疲れにくい。ブラウザがもう少し上手に機能を最適化しているならば、小説家になろうなどのWeb小説サイトへのアクセスににも最適な一台になる可能性がありそうです。
ただ、機能面はほぼ完全に電子書籍を読むことに特化しているため汎用性がありません。価格面はAmazonのFireタブレットよりも高めの設定なため、トータルでのコスパは劣るかもしれません。
この辺りの機能性とコスパをユーザーがどう判断するかで評価が分かれる端末です。ちなみに著者は大変気に入りました。