Amazonのタブレット端末のFireシリーズ、基本的には画面サイズ違いの3つの製品ラインからなります。一番小型で7型画面を持つFire 7、次にコンパクトなFire HD 8シリーズ、そしてFireタブレットの最上位機種で10型画面を持つFire HD 10です。
タブレット端末の使い勝手、使い途は画面サイズで大きく変わってきます。Amazonは使用感が異なる7つのサイズを上手に使い分けている感じですね。
この記事ではAmazonのFireタブレットのそれぞれの機種のスペックを詳細に比較していきます。
機種紹介をザックリと
まずはFireタブレットの機種をザックリと紹介します。
Fire 7
Fire 7はFireタブレットシリーズで最もコンパクトな製品です。
画面サイズが7型シリーズで一番小型軽量。
片手でホールドしやすいサイズと軽さを実現していて、ジャケットの内ポケットにも収るかもしれない幅に抑えられています。
性能も控えめとなりますがその分、価格はとてもお手頃な水準になっています。
Fire HD 8
Fire HD 8はドット密度が高めの8型画面を持つタブレットです。
8型画面というのはなかなか上手い落とし所なサイズ感で、電子書籍リーダーとしてかなり優れたスペックになります。
無理なことをさせなければ幅広い用途で十分に使えるだけのスペックを持ち、片手で長時間使っても疲れない軽さが実現されています。
Fire HD 8 Plus
Fire HD 8 PlusはFire HD 8の強化モデルの位置づけで、ストレージとメインメモリの容量に余裕があります。
サイズ感、重量は一緒のままですので、Fire HD 8より1ランク上の使い勝手が欲しいユーザーには嬉しい端末になるはずです。
Fire HD 10
Fire HD 10はAmazonのタブレット端末の中では最上位機種となる一台です。
10型とタブレット端末としてはメインストリームクラスの画面を持っていて、それ以下の画面サイズの端末とは使い勝手が一線を画します。Fire HD 8とわずか2インチ分しかサイズが違わないように見えますが、使用感は別物と言っていい端末です。
解像度もとても高くなっているので、さまざまなコンテンツを美しく再生できる機種です。
スペックの詳細な比較
ではそれぞれの端末のスペックをより詳細に見ていきましょう。
Fire 7
最新のFire 7、2019年発売の第9世代モデルは、CPUには最大動作クロックが1.3GHzの64bitクアッドコア(4コア)のものを採用しています。
Armアーキテクチャで64bitのCPUコアとしてはいまでは高効率コアのほうに分類されるタイプで、最新のスマートフォンのハイエンド機種などに比べるとCPU性能は数ランク下になります。ですが、Fireタブレットの使い途を考えると十分な性能があります。
メインメモリは1GBと控えめで、こちらの方が使い勝手への影響は大きいかもしれません。内蔵ストレージは16GBまたは32GB。マイクロSDXCカードでストレージは拡張が可能です。画面は7型で解像度は1,024 x 600ドットとなります。
サイズは192mm x 115mm x 9.6mm、重量は300gを切る286gに抑えられています。
Fire HD 8
Fire HD 8は8型画面で1,280 x 800ドットの解像度を持つ液晶を採用しています。その名の通りHD解像度をカバーできる端末ですね。
CPUは最大動作クロックが2GHzのクアッドコア。Fire 7よりも動作クロック分高性能です。メインメモリは2GBとこちらも一段上の余裕を実現。内蔵ストレージは32GBまたは64GBとなります。
サイズは202mm x 137mm x 9.7mmで重量は355gです。横幅は一般的な成人男性の手のサイズで掴めるサイズいっぱいに近いところでしょうか。重量は片手でしばらく使っても疲れない軽さです。
こちらは2020年に新モデルが登場している分、マイクロSDXCカードの対応範囲が一回り大きくなっており、最大1TBの大容量に対応可能です。
Fire HD 8 Plus
こちらのモデルはFire HD 8の強化モデルでCPUや画面などのスペックは共通のものですが、メインメモリが3GBに強化されています。
ツイッターアプリなど使用していないときでもバックグラウンドで更新情報の確認を行なうタイプの機能をいくつもインストールするときには、メインメモリの余裕が動作の軽さに効いてくるはずです。
Fire HD 10
そしてAmazonのタブレットでは最上位機種となるFire HD 10シリーズは予定通りの2年ごとの更新が入り、性能面が強化された2021年モデルが登場しています。
2019年モデルと比較してメインメモリが増量され重量が軽くなっています。CPUは前モデルから引き継がれているようですね。
Fire HD 10のCPU部は最大動作クロック2GHzでオクタコア(8コア)のものが採用されています。FireOSでもユーザーが表で利用しているアプリ以外に複数のプログラムが並列して動くのが普通ですので、そういった処理に余裕が出るスペックになっています。
メインメモリは3GB。内蔵ストレージは32GBまたは64GBとなります。
また前モデルからメインカメラが強化されていて5Mピクセルのセンサーが採用されました。
サイズは247mm x 166mm x 9.2mm、重量は500gを切る465gを実現しました。
メインメモリが4GBにさらに増量され無線充電システムを内蔵したFire HD 10 Plusも展開されています。
使い勝手の違い
7型、8型、10型と、画面サイズの数字だけを見ると大した差はなさそうな感じを受けますが、8型画面と10型画面でも使用感は全く別物になります。インチ数は25%増えるだけですけれど、面積にすると56%も大きくなるのですから。
画面サイズと表示コンテンツの関係。電子書籍の場合
すごく分りやすいのは電子書籍での使用感の違いだと思います。
8型で1,280 x 800ドットのFire HD 8だとコミックス1ページの表示と、小説など文字系の書籍の1ページ表示がバランス良く行えるサイズ感です。見開きの2ページ表示は厳しいサイズですね。
7型のFire 7だとサイズ的に新書版に近くなるはずですから、文庫や新書の文字系の書籍はとても読みやすいサイズになるはずです。ページあたりの文字数が多すぎると書籍は読みにくくなりますからね。
その代わりFire 7だと解像度の関係でコマ割りの小さなコミックスなどは若干読みにくくなる可能性があります。
10型画面になると、コミックスも文字系の書籍も見開き表示での利用がメインになるでしょう。一般的なコミックスならば見開き状態でもほとんどのコマを問題なく見て読めるサイズになるはずです。
Fire HD 10は解像度が高くドット密度もとても稠密ですから、小さな文字までつぶれずキレイに表示でき、それが読みやすさに繋がります。
動画コンテンツ視聴では
動画を見る際にはやっぱり画面サイズは大きければ大きいほど相性は良くなりますね。10型画面のFire HD 10で見るのが一番マッチするでしょう。
特に複数人で一緒に楽しみたいときにはできるだけ大きな端末が欲しくなります。
Fire 7、Fire HD 8は一人で気軽に動画を楽しむ用途向きと言えるでしょう。距離を取って複数人数で一緒に動画を見るにはちょっとサイズが不足しそうです。
色合いに関してはFireタブレットシリーズはかなりニュートラルで偏りのない表示が出来ますので、制作者が意図したものに近い環境で視聴できると思います。
重さと使用感の関係
タブレット端末の使用感と重量の関係では、重さ400gあたりに使い勝手の境目がある気がします。
400g以下の端末だとある程度の時間、片手で使っていても疲れをほとんど感じませんが、これを超えて500g級の重さになると長時間使うときには両手でホールドしたくなります。
電子書籍を読むときにはFire 7 、Fire HD 8では画面を縦にして使うケースが多くなり、片手で持つ使い方にちょうどはまると思います。これに対し重量があり画面サイズが大きくて見開き表示で使う可能性が高いFire HD 10は、横画面にして両手でホールドして使うことが多いのではないでしょうか。
そういう観点では端末の重量と使い方は割と上手くマッチしていると言えそうです。
まとめ
画面サイズで3つのラインがあるFireタブレット、使い勝手は画面サイズによって思いの外変化します。
実際の感触はやはり実際にじっくり使い込まないと分らない部分はありますが、この記事の内容も参考にしていただいてそれぞれにぴったりの端末に出会えると良いですね。