パソコンやスマートフォンなんかもそうですが、使っていくうちに「あれ?この端末こんなに遅かったっけ?」となるケースがあります。
ユーザーが何もしていないのに勝手にデバイスの実質の性能が落ちる、なんてことはないのですが、使っていく間に入れたアプリとか設定の変更なんかを普通は全部覚えていないので「いつの間にかデバイスが遅くなった!」になるのだと思います。
Fire HDシリーズのタブレットも恐らく同じです。
使い続けてユーザーそれぞれが使いやすいようにカスタマイズを進めていくと、だいたいは購入したときのすっぴんの状態より動作が重く感じられるようになります。
この記事ではそんな状態が行きすぎてしまって重さゆえにFireタブレットが使いにくくなったとき、それを少しでも軽減するための方法をまとめます。
実際にインストールした方法です。
画像多めで解説しているので、不安な方は是非参考にしてみて下さい。
大前提!Fire HDシリーズは高性能機ではない
まず最初に頭に入れておかないといけないのは、Fireタブレットシリーズは基本的に「高性能機ではない」ということです。
Windows系のSurfaceシリーズや10万円以上するハイエンドスマホみたいに、単体でガンガン何でも出来るパワーがあるマシンではありません。
Fireタブレット1つで何でもかんでも賄おうとするとハマりやすくなります。
スマホ、タブレット、PCが遅くなる原因の基本線
では次にPC、スマホ、タブレットなどの情報端末が重くなる理由の基本を確認しておきましょう。
メインメモリ(RAM)を使い切る
まず一点目。
特にFireタブレットでは一番起きやすそうな条件です。
それは、たくさんアプリを起動しっぱなしにしてメインメモリ(RAM)を使い切ってしまうことです。
FireタブレットシリーズはOSがコンパクトにまとめられていますが、メインメモリが2GBか3GBと今ではかなり控えめのスペックになっていますのでこの現象には引っかかりやすいです。
元々、メインメモリの余裕が少なめなのです。
裏で何かのプログラムがCPUパワーを食っている
もう一点は動作しているアプリなどがCPUパワーをたくさん食っているケースです。
FireタブレットのOSもそうですが、表でユーザーが直接触れている部分だけではなく、裏側でタブレットのさまざまな機能を支えるためにたくさんのプログラムが隠れて動作しています。
そういった裏で動く部分が多くなりすぎるとユーザーが操作するアプリに割り振られるCPUパワーが相対的に減少しますから、背景で動き続けているプログラムが増えるとその分、操作感は悪くなっていきます。
また、裏で動くプログラムも動作するためにメモリを食いますので、数が増えるとメインメモリの方も圧迫するようになっていきます。
Fire HDを高速化する方法
Fire HDシリーズのタブレットを高速化する方法、とは言っても、自作のデスクトップパソコンとは違って本当に抜本的な対策は打てません。パーツを交換してCPUをより高性能なものに入れ替えたり、メインメモリを増設したりといったチューニングは行えませんからね。
このためアプリやOSの使いこなしで対処していくことになります。
「常駐」するアプリを減らす
アプリには明示的に起動したときだけ動いていて終了させると完全に「いなくなって」くれるものも多数あります。
ですが、それなりの数のアプリは便利性・機能を上げるために裏で少しずつネットにアクセスして情報収集をしていたりします。
ニュース系のアプリなんかは完全にこのタイプです。常にネットをチェックしていないと最新ニュースを取ってきて通知を上げる、なんてこと出来ませんからね。
このようにいつでもメインメモリ上に存在して(=常駐して)動き続けているアプリの数が増えるとCPUパワーを持って行かれますし、メインメモリも圧迫されて動作感を悪くしがちです。
インストールしておくアプリは必要最小限のものに限る、と言うのが対応策になります。
お試しで入れてみただけで実際には使わなくなったアプリは積極的にアンインストールしましょう。
導入するアプリ・機能を絞る
上の方で書きましたが、Fireタブレットシリーズは決して高性能なデバイスではありません。
ですので、最初から「Fire HD一台で何でもやろうとしない」、というスタンスを取るのが上手なつきあい方と言えます。
また、タブレット端末は基本的には「情報を見る」のに適したデバイスで、何か作品なり仕事のデータなりを作るのは少し苦手としています。
こういったタブレット端末の特徴を分った上で、最初に使用目的をある程度絞っておくのがFire HDなどのタブレット端末をうまく活用する方法のひとつです。
最終手段は本当の再起動と初期化
Fire HDシリーズの動作が不調になったときの最終的な対応策の一つとしてAmazon自身のFAQにも書かれているのが「本当の再起動」とでも言った方がいい手順です。
それは電源ボタンを「40秒押し続ける」です。
端末が反応しなくなってしまったり、電源が入らないときなどにも使える最終手段的な操作方法ですので、こちらを覚えておくといざというときに役立つでしょう。
Fire HD 8の動作が重くなった時にこれを試してみると現象が解決する可能性があります。
この方法でも重さが解決しないときには、一度Fire HDをまっさらな初期状態に戻す「端末の初期化」という本当の最後の一手もあるにはあります。こちらは実施する前にユーザーデータのバックアップなどをしっかり取っておきましょう。
余談「仮想メモリ」は回避策であって解決策ではない
Fire HDシリーズの高速化の手法としてあるアプリを使って「仮想メモリ」を導入する、というのがあちこちのサイトでまとめられています。(FireOSの新しいバージョンでは使えませんが…。)
が、仮想メモリというのは本来、足りないメインメモリを言わば「誤魔化す」ための回避策です。
仮想記憶・仮想メモリの仕組みの基本は、メインメモリ上にあるプログラムのうちあまり使っていない部分をストレージに吐き出して空いた分を他のプログラムで利用する、というものです。
上手く回っていればメインメモリ上にあるアプリは軽快に動きやすくなりますが、メインメモリからスワップアウトされた(吐き出された)アプリは逆に動きが極端に悪くなります。
パソコンの場合には仮想記憶によるプログラムの部分的な吐き出しが起こるようになったら、全体的な性能は大きく落ちるのが普通です。
抜本的に改善するにはホントはメインメモリを増設するしか手がありません。
ですが、スマホ、タブレットで対応できる製品はほとんどないのが痛いところです。
ですので、インストールするアプリの種類や同時に動かすアプリを絞ることで、Fireタブレットに無理をさせない使い方を見つけてやる方がいろんな意味で効率が良くなります。
Fire HD GooglePlayを入れると重くなる? 記事まとめ
「Fire HDシリーズが重くなる」系のキーワードで検索してみると「Google Playを入れると重くなる」的なタイトルのページが結構見つかります。
でも実際のところは、
「Google Playを入れることで使えるアプリの種類が増えるから、何でもかんでもアプリを突っ込んじゃった結果動作が重くなる」
のほうが正解に近いと思います。
確かにGoogle Playも各種更新情報を仕入れるために裏で少しずつプログラムが動きますが、その量はほんのわずかです。
結局のところFire HDシリーズの動作を重くしている主な原因はユーザーの使い方の方にあります。デバイスの性能や性格、自分がタブレット端末でやりたいことを上手に摺り合わせてそれぞれにあった効果的な使い方を見つけたいですね。
実際にインストールした方法です。
画像多めで解説しているので、不安な方は是非参考にしてみて下さい。